だん王児童館・子ども図書館は、浄土宗朝陽山檀王法林寺の宗教活動の一環として運営されています。檀王法林寺前住職でだん王保育園前園長の信ケ原良文氏の「本に親しみ、本の好きな子になって大きくなってほしい」という願いから、昭和四八(一九七三)年五月に「だん王児童館・子ども図書館」が開設されました。本とのふれあいに重点をおいた育成活動が特徴です。その育成活動の根底には、『共に生きる』『命を大切に』という仏教精神があります。
京都市内の三条通りから檀王法林寺に入っていくと、本堂の手前横にだん王児童館・子ども図書館があります。三条通りに面しているとは全く感じさせない静かな雰囲気の児童館に入ると手を洗う洗面台があるのですが、お湯がでるようになっていて、寒い日でも手が洗いやすくなっています。ちょっとした優しい心づかいを感じながら児童館の遊ぶスペースをぬけた奥が、図書のコーナーです。
集中して読みたい子が落ち着いて読めるように、遊ぶ場所と本を読む場所とがすみ分けられています。宿題をしたい子が勉強できるように自習コーナーもあり、調理室には季節のイベントで使う調理器具が並べられていました。
平日の昼間は乳幼児のお子さんが保護者と一緒に遊びに来て過ごし、定期的に行われる絵本や遊びのイベントを楽しんでいます。夕方になると、学校が終わった子ども達がやってきて過ごします。お母さんたちのサークルや地域の大人の方の教室も開催されており、誰もが訪れることができるのが「だん王児童館・子ども図書館」です。
「本は読んでもらう(読む)ことで想像力がふくらみいろんな体験ができる。楽しい・悲しい・ワクワク・ドキドキなどいろんな感情も経験することができる。」――図書コーナーでは、座ったり寝転がったり、クッションにもたれたりして好きな姿勢で本が読め、本に集中することも、のんびりと過ごすこともできます。保護者や児童館の先生に読み聞かせをしてもらう子どもたち。本に囲まれている中でも家にいるような雰囲気となるように気を配られており、みんなの居場所となっていました。
図書コーナーには絵本原画も
ドッヂボールチームのトロフィーも
これまで「ツム・グ・ハム」で
16箇所の図書館を紹介させていただきました。どの図書館でも、本のある場の可能性や図書館を作っている人・関わっている人の大切さを感じました。大山崎で複合化施設に新たに作られる図書室も、誰もが安心して訪れることができる・過ごすことができる、楽しめることができる、居場所となることを願います。
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