三年前に新しく建てられた京丹波町庁舎は、とにかく素敵な建物です。その96%が京丹波町産木材を使用しており、大きなガラス窓からは光が入り、吹き抜けで広々としていて開放的。窓から山も見え、「え?ここが、庁舎?」と驚きました。建物のまわりには大きな駐車場があり、庁舎の前の芝生は人々が集えるスペースになっています。その庁舎の一角に、京丹波町の図書館出張所、通称「こだち図書」があります。
「こだち図書」は木々に囲まれた本当に心地よいスペースとなっており、この空間にいるだけで心が安らぐ気がします。カフェも併設されており、飲食OKの図書スペースとなっているので、用事がなくてもふらりと立ち寄りたくなります。置かれている本は厳選されており、とても見やすく、魅力的な本が配置されています。その冊数は、約3千5百冊位あるそうです。また、壁一面に雑誌が並んでいるのですが、雑誌納入には住民寄付制度が導入されており、病院やお店などが担当雑誌を1年間寄付しているのだそうです。京丹波町の図書館に入る新刊はまず「こだち図書」に並べられ、人が集まってくる工夫がなされているそう。また、子どもの本が充実しており、絵本作家のサイン色紙が並べられたコーナーもありました。京丹波町には閉校した小学校で開かれている絵本屋さん、「絵本ちゃん」もあるので、絵本作家さんも立ち寄られることもあるとか。夕方になると庁舎は閉まりますが、「こだち図書」スペースには明かりが灯っていて、中高生や仕事帰りの大人などが本を読んだり勉強したり、話をしたりして、現役世代の居場所となっているようでした。
この素敵な「こだち図書」ができた背景には、町職員や地域の住民のみなさんが何度も議論を重ねてこられたという熱意があります。そして今では、この施設を見学に訪れた方々が京丹波町のよさを知るきっかけにもなっています。また、大山崎町と同じく京丹波町には、長年「図書室」しかありませんでしたが、中央館、「えほんのへや」のある瑞穂分館、電車が見える和知分館、「こだち図書」を含め、1年前に「図書館」へと昇格しました。大山崎町より少し少ない位の住民数の京丹波町ですが、移動図書館(バスではなく、軽トラだそう!)もあり、本と人を繋ごうとする情熱が感じられます。本当にうらやましく、尊敬の気持ちでいっぱいになりました。(F)
*これまでのお話はこちらからご覧になれます。