大阪の堺市の隣に位置する高石市の高石市立図書館は、「アプラたかいし」という商業施設の四階にあります。
ガラス張りの明るい図書館なのですが、その図書館の目の前の通路の左側には、なんと「まちライブラリー」コーナーが並んでいます。はじめ見たときは、「え? 図書館の向かい側に、まちライブラリー?」と、驚きました。けれどもよく考えると、図書館の本の選書はさまざまな基準に合わせて、基本的に図書館の方が行っていると思うのですが、「まちライブラリー」には個人が純粋に「この本を薦めたい!」という想いで選んだ本が並んでいるので、アプローチが違っています。図書館の本は多くの人が求めている本が多かったり、公共の視点から偏りなく選ばれていたりすると思うのですが、「まちライブラリー」の本には寄贈した人の私的な想いがコメント入りで表示されており、一冊一冊が特別な本という感じがします。これらの本の貸出は、図書館のカウンターで行っているので、図書館が「まちライブラリー」の運営にも関わっているようです。
そしてさらに驚いたのが、通路の右側には、図書館の本と「まちライブラリー」の本が混在して展示されているコーナーがあったことです。私が伺ったときはちょうどオリンピック前でしたので、オリンピックや運動に関係する本なども展示されていました。このコーナーがあることで、利用者は「まちライブラリー」だけの利用に留まらず、図書館にも足を運びやすくなりますし、どちらの試みも上手に共存することができます。ちなみに、すぐそばには本の除菌機が置かれ、各自で除菌もできるという、コロナ禍ならではのいたれり尽くせりのサービスが。
「すごいなぁ」と思いながら1階のおシャレなカフェに入ってぼーっとしていると、カフェの壁にも本が展示されているのに気づきました。よく見てみると、この本も図書館の蔵書なのでした! これらの本も、図書館で借りられるようです。とても柔軟な図書館の試みの数々に脱帽でした。
既にお知らせしているように、大山崎町のカフェや雑貨店でも、年末より「まちライブラリー」を行っており、個人から寄贈されたお薦め本を読んだり、貸し出したりすることができます。「まちライブラリー」のあるお店に足を運んでいただき、素敵な本と出合っていただけたら、嬉しく思います。(F)
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わたしたちでつくる。大山崎の図書環境
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