今回からスタートした「就労継続支援A型事業所の運営」。
障害者の「害」の表記には、「害」には、害・がい・碍と3つあり、どれを使うか考えました。
障害のある方の中でもどれを使うのがいいのか意見が分かれ(「障害」の表記に関する検討結果について)、専門家の間でも話し合いが続いています。今回、どの表記にするのか考えたときに浮かんだのが、リオパラリンピック水泳日本代表・一ノ瀬メイ選手のことば。「私からしたら腕がないのが障害なんじゃなくて それを持って生きていく社会が害」「私からしたら障害は本人じゃなく社会やから ひらがなに直して勝手に消さんといてほしい」と。目からうろこが剥がれ落ちました。メイ選手の言葉を知るまでは、ツムグハグでもひらがな表記でした。私も含め、まだまだ「害」ととらえてしまう現状を顧みて、今回は「害」としました。皆さんは、どう受け取られたでしょうか。
さて、ここからが今回の記事です。お待たせしました。どうぞ、ご一読ください。
「就労継続支援A型?」
平成27年に大山崎町下植野に開設した「Go Way」さん(以下敬称略・現在長岡京市)。
当初は、「誰が利用し、何をする所なんだろう」と思っていました。やがて、店舗前で開く市や小倉橋の側での野菜などの販売を見かけるようになりました。
「Go Way」は、スタッフの多くに障害のある人を雇って事業を行うとともに、その障害のある人が一般企業に就職できるように支援・指導する就労継続支援A型事業所です。
就労継続支援にはA型のほかにB型や移行支援といった施設があり、今では多くの町でどちらも見かけるようになりましたが、当初大山崎町には
「Go Way」1軒しかありませんでした。
障害者の就労支援や「Go Way」の活動について、代表の三上嘉寿仁さんに伺います。
三上さんは、福祉系大学を卒業して社会福祉協議会で働いていた時に、一般就労は難しいけれど働く意欲のある障害者の働ける場が町内にはほぼないことに気づき、障害者の就労支援について調べ始めます。
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また、父親が営むコンビニショップに小さい頃からよく遊びに来ていた三上さんは、久しぶりに訪れたお店や地域の変わりように驚きます。
「一般の企業に就職もしていないし、起業のノウハウがあるわけでもなかったのですが、いつかは障害福祉に携わっていきたいという気持ちがありました。その気持ちを活かして障害者も働ける会社を作り、地域にも貢献できるような事業はできないかと考え、それにはA型が向いていると思って選びました」。
「A型は大変だよ」と心配する声もありましたが、父親のコンビニ事業―食堂業務や弁当・お菓子作りなど―の一部を引き継ぎ、休耕田を活かしてみんなでワイワイ町中を通って畑まで歩いて野菜や果物を作り、採れた作物をそのまま売ったり、開発して商品にしたりする。このような事業を描いてスタートしました。
つづく
文・絵 オオバチエ
【参考資料】厚生労働省HP 障害者福祉 障碍者福祉サービスなど ほか/:内閣府:「障害」に関する検討結果について・内閣府リーフレット:「平成28年4月1日から障害者差別解決法がスタートします」「合理的配慮を知っていますか」/永野仁美・長谷川珠子・富永晃一編集「詳説
障害者雇用促進法 新たな平等社会の実現に向けて」弘文堂/丹下一男著「障害者雇用入門 雇用のプロセスから法的校正まで」経団連出版/全国福祉協議会:リー―フレット「障害福祉サービスの利用について」(2018年4月版)/就労支援事業運営.com
https://hst-up.tokyo/ /就職を目指す障害者のための就労移行支援事業所LITALICOワークス
https://works.litalico.jp/ ほか