京都と大阪の府境にある小さな町・大山崎で、リトルプレス「大山崎ツム・グ・ハグ」など印刷物を作っている大山崎リトルプレイスです。このブログでは「大山崎ツム・グ・ハグ」記事を中心に紹介しています。 https://www.o-little-place.com/
今日もリトルプレス『大山崎ツム・グ・ハグ』の制作に励んでます。。。

 天王山で見られる身近な爬虫類はなんだろう。たぶんトカゲの仲間だ。一番よく見かけるのはカナヘビ。次がニホントカゲかな。ヘビも爬虫類だけど、最近は出合うことがめっきり少なくなった。ヘビが嫌いな人たちは喜んでいるだろうね。僕はヘビが好きだから、数が減るのは悲しいな。


 春になると、カナヘビとニホントカゲは冬眠から目覚める。体を温めるために日光浴をしているのだろうか、日当たりの良い登山道の横のがけや石垣などでよく見つかるよ。カナヘビとニホントカゲは、どちらも全長が15~25㎝くらいのかわいいトカゲ。人の姿に気づくと素早く茂みの中や石垣の隙間に隠れてしまう、とても臆病な生き物だ。


 カナヘビは名前にヘビとついているけれど、4本の脚があるトカゲの仲間。全長の2/3以上にもなる細長い尾がヘビのように見えるから、名前がカナヘビになったのかな。体はザラザラしたツヤのない茶色の肌をしている。子供の頃、カナヘビは小さな恐竜のように思えてカッコよかった。素手で捕まえようとしては逃げられてばかりだったよ。

カナヘビ


 ニホントカゲの姿はとても個性的だ。その体は、よく磨かれて傷ひとつないピカピカの車のボディのようになめらかで光沢がある。大人になったニホントカゲの体は褐色だけど、幼いころは黒っぽい胴体にくっきりと目立つ黄色い縦縞模様があり、尾の部分が青いんだ。太陽の光を浴びてメタリックブルーに輝く尾を見ていると、僕にはニホントカゲがとても神聖な生き物のように思えた。だから、子供の頃は捕まえて触ることができなかったんだ。こんなに派手な色をした体では天敵に見つけられやすいと思うんだけど、どうなんだろう。天敵から見ると食べ物には思えない色彩なのかもしれないね。

ニホントカゲの幼体

 インターネットでトカゲのことを検索していたら、簡単に捕獲する方法の動画があったよ。トカゲを魚のように釣り上げるんだ。棒の先にエサのミミズをしばりつけたタコ糸を付ける。エサのミミズをトカゲの前にそっとたらすと、いとも簡単にトカゲがエサに食らいつくんだ。しっかりと食いついている間に、さっと釣り上げてバケツの中に振り落とせば捕獲完了。釣り針を使用しないから、トカゲを傷つけずに振り落とせるんだよ。実に簡単な方法だ。人を見るとすぐに逃げるくせに、目の前にエサが現れたら何があろうと食べようとする。これが野鳥なら、まわりを警戒して十分に安全を確認するまではエサに近づいたりしないんだけど、トカゲの場合は食欲の方が優先するみたいだね。子供の頃にこの方法を知っていたら、苦労せずにカナヘビを捕まえられたのになあ。面白そうだから、今度やってみよう。もちろん、捕まえて観察したらすぐに逃してやりますよ。


【補足説明】

◆カナヘビ

日本全国に分布。 尾が長く全長の2/3もある。


◆ニホントカゲ

西日本、四国、九州に分布。尾はカナヘビより短く、、全長の1/2くらい。東日本には姿がそっくりだが別種のヒガシニホントカゲがいる。

 どちらも山地の林縁、草原、民家の庭や石垣などに生息。昆虫やクモ、ミミズなどを捕食する。天敵はネコ、イタチ、ヘビ、モズなど。天敵に襲われそうになると自ら尾を切り離し、切れた尾に天敵が気をとられている間に逃げる。尾は再生するが前より短くなることが多い。

 

 これまでの「天王山でひと話咲かせましょうータムさんのお話」全話は、こちらからご覧になれます。



掲載紙面⇩
タムさん_Vol53

■Vol.53 P2に掲載
P2

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