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残業をしないためにはどうすればいいのか。これまでに「『チーム全員の仕事が終わるまで帰らない』をまずやめろ」「ヘルプは朝に出せ」と、残業をしないためのポイントを2回にわたって説明しました。今回は最終回。さらに2つのポイントをお話します。 残業は会社のためにもならない
つきあい残業をチームのルールレベルで禁止し、ヘルプも業務時間中に出せる体制を敷いたのに、それでも毎日残業がなくならないというのであれば、「仕事の効率」を見直す必要があります。仕事の効率を高める細かな仕事術は巷で色んなものが紹介されていますが、大前提としてやらなければならないのは、適材適所に仕事を分配することです。人は誰でも、得意な仕事や不得意な仕事があります。同じ仕事であっても、AさんがやるのとBさんがやるのとでは全然かかる時間が違うということが起こるのは普通です。新人育成が目的であったりスケジュールに余裕があったりするなどの特殊事情がない限り、各自が一番パフォーマンスを発揮しやすい仕事を割り当てる必要があります。これを徹底するだけでも、チームとしてのアウトプットの効率は高まります。
もっとも、「得意な人に振る」ことばかり考えていると、能力が高い特定の人にばかり仕事が集中してその人がいつも残業をするという悲惨な事態を招くので、そこは適宜調整する必要があります。ここでうまいアサイン(割り当て、割り振り)ができるかどうかが、リーダーや上司の腕の見せどころです。
アサインは、最初に決めたものがすべてではありません。仕事を進めていく中でさらに効率がよい仕事の割り当てが見つかるならば、最初のものに固執せずに柔軟に組み替えていくべきです。 適材適所に仕事を分配する
残業は、百害あって一利なしです。残業は個人やチームのためにならないばかりか、会社のためにもなりません。残業代の分だけ人件費は高騰しますし(サービス残業をさせればいいという意見は、もちろん論外です)、長時間労働が常態化している会社に優秀な人は入社しないものです。人材の質も製品の質も、下がっていきます。
「残業=有害」という認識は、健全な会社をつくるために必要です。社員がみんな残業ばかりしているという会社は、危機感をもたなければなりません。 おわり
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社会保険労務士 楠 木 仁 史
大山崎町下植野宮脇1-22
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次回は新シリーズです。お楽しみに^^
【残業について 第3回 紙面】
【Vol.48 P4に掲載】