大山崎町の公民館は、現在建て替えにむけてワークショップを実施中です(前号参照)。議論が進み、具体的な姿が見えるにつれて期待とともに心配なことも。例えば、「おしゃべりしたり子どもが騒いだりしても良いフロアをつくる」としてそうした設計がなされたとしても、管理する側にその意志がなければ、従来の禁止事項だらけの図書室になってしまいます。「ロビーでイベントやミーティングができる」ことを目指しても、実際にはどこまで自由に運用できるかわかりません。「箱」だけでは良い施設にはならず、「中身」に町民がかかわることが肝要です。
市民と一緒につくりあげられた図書館が、佐賀県伊万里市にあります。「伊万里市民図書館」です。もともと大山崎町と同じ公民館内の図書室だったものを、主婦が中心となって「図書館を考える会」をつくり、9年の活動のすえ設立された図書館です。新しい図書館をつくるにあたり、行政と市民の間には共通の思いがありました。それは「図書館で本を読んだ人は、その分だけ成長できる。つまり、図書館は人をつくる場所である」「町は人によってつくられる。図書館は町づくりの源になる」という考えでした。この思いを結実させるため、設立後は市民団体「図書館フレンズいまり」が職員らと一体となり、「人づくり」の場にふさわしい図書館になるように運営や企画に携わっています。市民参加の図書館として、同じ佐賀県内の「TUTAYA図書館」こと武雄市図書館(こちらは指定管理者運営の代表格として有名)と比較されることが多い図書館です。
大山崎町の新しい公民館・図書室にも利用する町民の目線が反映されるよう、みんなが運営に関わって施設を育てる仕組みが必要と感じます。(M)
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