みなさま、こんにちは、今号からツム・グ・ハグに文章を掲載いただけることになりました、山崎在住のおりこのかずひろと申します。このコーナーでは、地元の話や映画や本の話をさせていただこうと思います。にやりとできて、読後5分もすればおおむね内容を忘れている。そんなゆるさを目指しております。どうぞよろしくお願い致します。
さて、記念すべき1回目は、山崎のお店の話です。僕は「山崎観光案内所」というサイトを運営しており、おかげで町内のお店情報にとても敏感です。新店の噂を早い段階で教えてもらったり、具体的な相談を受けたこともあります。町に15年前に引っ越してきた時に比べて素敵なお店が増えて(残念ながら閉店したお店もありますが)、嬉しい限りです。それでも、あったらいいなと常々考えているお店があり、ここではその開店してくれないかなベスト3を紹介します。
「サンドイッチ専門店」
多様なサンドイッチ。具が選べる。テイクアウトOK。
「イギリスっぽいパブ形式のバー」
行くと誰かがいるという感じ。語れる。ノーチャージ。
「名店の趣のある眼鏡店」
素敵眼鏡多数あり。
特に3つ目の眼鏡店が、一番の希望です。理由は、まず眼鏡店が町に似合いそうだということ。それから僕が、かなりの眼鏡好きであること。そして、頻繁に僕の眼鏡が修理の必要な状態になることがあげられます。この眼鏡への思い入れは、なんといっても映画「レインマン」の影響が強く、映画の中で、トム・クルーズがめちゃくちゃかっこいいサングラスのかけ方を何度も行います。
「レインマン」は1988年のアメリカ映画で、アカデミー作品賞を受賞。ダスティン・ホフマンが主演男優賞を受賞しています。特にサヴァン症候群を演じたダスティンの怪演ぶりが有名ですが、僕は長らく弟役のトム推しです。映画は兄弟の絆を描いたものでありながら実にクールで、その雰囲気を作りだしているのがトムのはずなのですが、賞にはノミネートすらされず、「彼はいなかったのかも」ぐらいの扱いに。でも、大事な「眼鏡シーン」はラストの別れの場面で、片手でトムがすっとサングラスをかけて振り返り、そのまま立ち尽くすというシーン。これが超かっこいい。
そういうわけで、そのシーンに憧れた高校生の頃の僕は眼鏡でこれをやったわけです。で、どうなるかというと、ものの数か月でフレームがガバガバになります。友達と別れる際に毎回やっていましたが、やがて全くフレームが耳にかからないようになり、床に落ちるようになりました。橋から下を覗いた時に、眼鏡が川に落下したこともあります(一緒に探してくれた見ず知らずの方ありがとうございます)。この癖は今も残っており、大抵、眼鏡はガバガバです。眼鏡屋さんはすぐ直してくれるのですが、トム・クルーズのせいだとはなかなか言い出せません。
最近、小さな眼鏡店は閉店してしまうことが多いのですが、ここで一つ「大山崎眼鏡」なる店を開店していただけると、優良客として僕が伺うことは間違いなしです。もちろん、店を出る時にはきっちりとトム・クルーズのかけ真似をして差し上げますので、ぜひ開店をご検討ください。
では、今回はこの辺で。町に面白いお店が増えて、面白い人々に会えますように。
おりこのさん撮影
【プロフィール】
おりこのかずひろ。山崎(島本側)在住(15年目)。私的山崎観光案内所運営、映画「家路」監督。一児の父。基本的にサラリーマンですが、物書きでもあります。
*おりこのさんをツムグハグで取材した記事はこちら
「このへんの人々」の紙面