「トスカーナ大公国の議員で実業家のジノリ侯爵は、鉱物学にも詳しく、さまざまな地域から土を集め、土の配合や顔料の発色を研究するなど勢力的に動いた。
1737年、トスカーナ大公国ではメディチ家最後の大公がなくなり、オーストリア・ハプスブルク家のマリア・テレジアの夫、フランツ・ステファン( のち のフランツ1世・神聖ローマ皇帝)が大公を継承した。マリア・テレジアといえば、『デュ・パキエ窯』を買い取り、『ウィーン磁器工房』として再出発させたのは記憶に新しいな。
侯爵は、市議としてウィーンへ視察に出かけた折には、デュ・パキエ窯を訪問し自ら製法を学んだ。また、有名な絵付け師アンライターや技術者と会い、フィレンツェへ招いたり、自国の優秀な彫刻家ブルスキを成型デザイナーとして雇ったんや。
1737年に国に求めていた硬質磁器の独占生産権が1741年に許可されると、本格的に生産が始まっていった。
開窯当初は熟練した職人が少なく、1点ものや「スタンピーノ」(文様を切り抜いた型紙を器にあてて筆や刷毛などですり込む)技法の作品が多かったが、ウィーンから招いた絵付け師たちの指導で次第に職人が増え、作品の種類も増えていったんや」。 つづく

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