京都と大阪の府境にある小さな町・大山崎で、リトルプレス「大山崎ツム・グ・ハグ」など印刷物を作っている大山崎リトルプレイスです。このブログでは「大山崎ツム・グ・ハグ」記事を中心に紹介しています。 https://www.o-little-place.com/
今日もリトルプレス『大山崎ツム・グ・ハグ』の制作に励んでます。。。
 高報酬がヘロルトにどんな災いをもたらしたんですか?

「開発は続き、絵具の種類は増え、ベトガーを悩ませた磁器の黄ばみも解消。真っ白な素地に描くへロルトのシノワズリー模様は、美しさも価格も日本の柿右衛門に迫る勢いや。それと共にへロルトの報酬は更に跳ね上り、片や職人たちの給与は据え置きのままこき使われ、生活は困窮。やむを得ず、余った無地の白磁器を工場から買い、へロルトにバレないように自宅で絵付けして売りさばいた。一方、粗悪な模倣品が出回ることを憂慮した工場長のシュタインプリュックは、商標を付けることを思い立つ。それが有名な青絵具で描かれた双剣模様や。

 アウグスト王の海外赴任中、マイセン工場を任されたフォン・ホイム伯爵は、フランスの企業家ルメールと組み、その双剣模様のない柿右衛門の複製品を大量に工場で作らせ、フランスへ安く売りさばき大儲け。しかし、そんなうまい話は続くわけもなく、程なく二人は逮捕。邸宅からは大量の双剣模様なしの磁器が発見され、そこからへロルトの法外な報酬のからくりが王の知るところとなり、へロルトの報酬は大幅カット。すでに美術監督と宮廷官の肩書きを与えられていたへロルトは、その特権による優雅な生活と激減した報酬に絵を描く意欲をなくしていくが、そこへマイセン発展のもう一人の立役者が登場し、へロルトは自分の地位を守ろうと画策するんや」。 

2014_12月号



《大山崎ツム・グ・ハグ 2014年12月号より》

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参考文献 

『マイセン』ジャネット・グリーソン著・南條竹則訳 集英社 

『マイセン』南川三治郎・大平雅巳 玉川大学出版部 

『ヨーロッパ歴史地図』 M・アーモンド、Fフェルナンデス=アルメスト他 (株)原書房 

『マイセン磁器と東洋趣味』『マイセン磁器誕生生前史』
共に嶋屋節子著 広島芸術学会http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00031562




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