京都と大阪の府境にある小さな町・大山崎で、リトルプレス「大山崎ツム・グ・ハグ」など印刷物を作っている大山崎リトルプレイスです。このブログでは「大山崎ツム・グ・ハグ」記事を中心に紹介しています。 https://www.o-little-place.com/
今日もリトルプレス『大山崎ツム・グ・ハグ』の制作に励んでます。。。
 亭主様、ザクセン選帝候アウグストはなぜ、チルンハウス伯爵の勧めでベトガーの処刑をやめ、磁器造りをすることに?

「1702年に薬剤師の免許を持つ錬金術師ベトガーを監禁し、『金』をつくる実験をさせるようになってから3年。その間、スウェーデンとの戦争で財政は逼迫。「金」が必要だというのに、ベトガーはまったく結果を出せず。かといって処刑すれば、今までベトガーに注ぎ込んだお金は無駄だったと周知するようなもの。一方、王の東洋磁器に寄せる情熱から、その収集につぎ込まれた金額も相当なもので、磁器を国内で造れば、他国から買う必要もなくなり、それを売ることにより、国の財源にもなると考え、ベトガーに磁器の開発をさせた方が得策だと伯爵の提案を受け入れたんや。

 さて、1705年、磁器造りが新たな使命となったベトガーは、険しい丘に建つ城に広い実験室を用意され、実験の日々。それまでの軟禁生活では、豪華な食事や酒、一流の知識人との交流、散歩や動物園で動物と戯れることもできた。しかし、今回は、ベトガーに磁器造りへ集中させ、製法の情報流出防止のために関係者以外の出入りは禁止、全ての窓をレンガでふさぎ、実験室に監禁や。しかし、王は相変わらず『金』造りも求め、ベトガーは磁器造りで時間を稼ごうと考え、励んだんや。

 チルンハウス伯爵も、自国の産業として磁器生産を考え、外国での研修旅行や研究・実験をしてたんや」

*選帝候:神聖ローマ帝国において、ドイツ王ないし神聖ローマ皇帝に対する選挙権を有した諸侯のこと

*画像をクリックするとでーんと大きくなります
2013_6月号

                           《大山崎ツム・グ・ハグ2013年6月号より》

参考文献
『マイセン』ジャネット・グリーソン著 南條竹則訳 集英社 

『マイセン磁器と東洋趣味』『マイセン磁器誕生生前史』
共に嶋屋節子著 広島芸術学会http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00031562

『ヨーロッパの歴史』フレデリック・ドルーシュ総合編集  東京出版 
『世界の歴史17』中央公論社 他


直輸入ブランド洋食器専門
本社 〒617-0823京都府長岡京市長岡2丁目1‐15  
Tel 075-205-5170 Fax 075-957-7557   HP  http://www.le-noble.com/ 
 
*続きはこちらへ
ギャラリー
  • ㈱ナイスリビング「住まいの防犯を考える」
  • ㈱ナイスリビング「住まいの防犯を考える」
  • ㈱ナイスリビング「住まいの防犯を考える」
  • くすの木労務経営管理事務所「東 京 物 語(2)」
  • タムさんのお話 第59話 「霜と霜柱」
  • タムさんのお話 第59話 「霜と霜柱」
  • タムさんのお話 第59話 「霜と霜柱」
  • タムさんのお話 第59話 「霜と霜柱」
  • タムさんのお話 第59話 「霜と霜柱」
アーカイブ
カテゴリー