エズラ・ジャック・キーツ 作
『かいじゅうたちのいるところ』の翌年1965年のコルデコット賞を受賞したのが、キーツの『ゆきのひ』(原題:The Snowy Day,1962)です。
ある朝目覚めて外に一面の銀世界が広がるのを見た主人公ピーターの驚きとよろこびが、雪と触れ合い遊ぶ姿を通して淡々とシンプルに語られています。読者の子どもたちは、雪に触れた時の冷たさや足元のきゅっと鳴る音、ずぼっと沈み込む際の不安定さとおもしろさなどの感覚をピーターと一緒に楽しみます。
ある朝目覚めて外に一面の銀世界が広がるのを見た主人公ピーターの驚きとよろこびが、雪と触れ合い遊ぶ姿を通して淡々とシンプルに語られています。読者の子どもたちは、雪に触れた時の冷たさや足元のきゅっと鳴る音、ずぼっと沈み込む際の不安定さとおもしろさなどの感覚をピーターと一緒に楽しみます。
この作品の特筆すべき点は、ピーターの肌の色が黒いことです。『ゆきのひ』以前に、いわゆる黒人の子どもが絵本の主人公になったことはありません。出版当初は多くの批判が巻き起こりましたが、やがてこの一冊から、さまざまな人種の能力のあるクリエーターたちが活躍し、絵本の世界を豊かにしていくことになります。
(プロフィール)
ライター/えほん講師 なが田ゆう子
『絵本とおはなし どんぐりん』として、大山崎中央公民館図書室で隔月水曜日におはなし会をしています。
絵本とおはなし どんぐりん
11月13日(水)10時30分~11時 中央公民館別館2階和室