エレノア・ルーズベルトをご存知でしょうか?第32代アメリカ大統領夫人で、ひとりの社会活動家としても、人権や福祉の向上のため大きな役割を果たし、「アメリカの良心」とも称えられた女性です。女性や少数民族の人々の地位向上や権利を守るため、貧困や失業者を無くすため戦い続け、国連のアメリカ代表として世界各地に赴きました。
この作品は、エレノアが「おちびのネル」と呼ばれていた子ども時代を描いています。クーニー自身が3年がかりでエレノアの足跡をたどり、縁の地に赴いて取材を重ね、ようやく出来上がった絵本です。
エレノアは裕福な家に育ちましたが、母親から十分な愛情を与えられず早くに死別、大好きな父も9歳のとき亡くなってしまいます。決して幸福とは言えない少女時代、気持ちの拠り所もなく、寂しく親戚の家に暮らします。それでも「おちびのネル」は自分を信じ、心のなかの美しいものを失わずに成長します。寄宿舎の校長先生との恵まれた出会いもあり、やがて世界に目を向け、活躍の場を広げていったのです。
バーバラ・クーニー 文・絵
掛川恭子 訳
掛川恭子 訳
ほるぷ出版
(プロフィール)
ライター/えほん講師 なが田ゆう子
『絵本とおはなし どんぐりん』として、
大山崎中央公民館図書室で隔月水曜日に
おはなし会をしています。
絵本とおはなし どんぐりん
6月12日(水)
10時30分~11時
中央公民館別館2階和室