カラスノエンドウを知っているかな。春になると道端や田んぼのあぜ道など、日当たりの良いところにわさわさ生えている、どこにでもある野草だ。小さな葉っぱがいっぱいついていて、かわいいピンク色の花が咲くつる草だよ。


ソラマメの仲間なのに、豆はとても小さいんだ。サヤは細くて、長さが4~5㎝くらいしかない。豆が熟すとサヤは黒く硬くなり、弾けて中の豆が飛び出すんだ。サヤが真っ黒になるから、カラスノエンドウという名前になったのかな。僕はずっと「烏の豌豆」だと思っていたけど、本当は「烏野豌豆」だったんだ。カタカナの名前だと勘違いしてしまうね。
カラスノエンドウに似ているけど、葉や花がずっと小さいものがスズメノエンドウだ。カラスノエンドウの近くに生えていることが多いので、比べてみると面白いよ。他に、その二つの中間サイズのものでカスマグサというのもあるからまぎらわしい。カスマグサはカラスとスズメの頭文字をとって、その間ということで名づけられたんだって。面白い名前のつけ方だね。
カラスノエンドウは、手軽に味わえる春の野草でもあるんだ。スズメノエンドウは茎が細く、葉が小さくてボリュームがないから、料理にはカラスノエンドウの方が向いている。若く柔らかいものを摘み取り、きれいに洗ってさっと茹でる。僕はおひたしや胡麻和えが好きだな。クセがなくて美味しい。小さくて食べごたえがないけれど、若い豆のサヤも食べられるよ。
この時期は大量に取れるので、お茶も作ってみた。摘み取ったカラスノエンドウを天日に干してカラカラに乾かし、適当にハサミできざんでフライパンで乾煎りした。煮出して飲んでみると、香ばしくて思った以上に美味しい。体に良いようなので、興味があったら試してみてね。
■補足説明