仕事に閉塞感を覚え始めた岡村さん。悶々とする日々を送る一方で、イベントに呼ばれたり、定期的なマーケットに出店したり、日本茶インストラクターの認定試験に向けて勉強をして試験を受けたりと、お茶の世界は広がるばかり。
日本茶インストラクターは、日本茶文化の継承と普及を目指し、日本茶の指導者を育成するために『日本茶インストラクター協会』が行う試験により得られる資格。年1回、筆記と実技の試験があり、もちろん岡村さんは合格。
そんな生活が大きく変わる出来事が起こります。
➊お茶と仕事のはざまで
研究センターに勤務して3年が経った頃から閉塞感を感じ始め…。


❷悶々とする日々に朗報が!
会社を辞めようと一度は決心したものの、生活のことを考えて踏みとどまります。そんな中、奥様が出産。岡村さんは1年間の育児休業に。子育てとお茶中心の暮らしは一生の宝物になりました。





➌確固たる決意で退職
奥さまの理解も得、退職を決意。復帰数カ月前に上司を訪ね…
奥さまの理解も得、退職を決意。復帰数カ月前に上司を訪ね…

❹堂々と「お茶屋です」
日本自生説もありますが、中国からの伝来説が有力。お茶は発酵させるかさせないか、その発酵が微生物によるか生葉中の酸化酵素によるかで4種類。


◆できるまでの違いで分類
栽培・加熱・加工・再加工方法の組合せや違いで分類。
①栽培「あびる? あびない?」
収穫まで日光をあびる露地栽培とわらなどで日光をさえぎる被覆(覆下)栽培があり、さえぎる光の分量、期間でも分かれます。


②加熱「発酵阻止の手段は?」
加熱で発酵を止めることを「殺青」といい、蒸す・炒る・煮る・焼くの4種。効率の良い「蒸す」が多勢で、岡村さんが扱う多くは『釜炒り茶』。
③加工「揉むの?揉まないの?」
殺青後、葉を傷つける、水分を絞りだすなどの目的でいくつもの「揉む」作業を行い、「乾燥」へ。この「揉む」の有無で分類。


④再加工
「香ばしさをプラス」
煎茶などの緑茶をさらに焙煎したのが「ほうじ茶」。煎ったお米(ほぼ白米)を緑茶にブレンドしたものが「玄米茶」。


❻岡村さんが選ぶお茶は?
生産者を訪ねて選んだ結果、原則的にブレンドされていない種から育った在来種で、栽培中に農薬不使用のもの、無肥料かあるいは有機肥料で土地の力を活かして育ったお茶が中心に。どんなお茶かは作業工程とともに次号で紹介します。 続⇒第3話へ