京都と大阪の府境にある小さな町・大山崎で、リトルプレス「大山崎ツム・グ・ハグ」など印刷物を作っている大山崎リトルプレイスです。このブログでは「大山崎ツム・グ・ハグ」記事を中心に紹介しています。 https://www.o-little-place.com/
今日もリトルプレス『大山崎ツム・グ・ハグ』の制作に励んでます。。。
天王山が大好きで、いろいろな生きものとお友だちのタムさん。
天王山の自然のことをみんなに知ってもらおうと作ったお話

タムさんのお話 第21話 『平穏無事を願う』

 昨年は九州から北海道まで、各地で大きな災害が発生した。僕の住んでいる大山崎も同様だ。6月の大阪府北部地震に驚いたのもつかの間、9月に近畿地方を襲った台風21号の暴風は凄まじかった。
 
 9月4日の京都地方気象台の10分ごとのデータを見ると、13時から16時20分まで平均風速が秒速10mを超えていた。14時40分には平均風速21・7m/sとなり、最大瞬間風速は39・4m/sを記録している。風速を乗り物の速度と同じ時速に換算してみると、秒速10mは時速36㎞で、ママチャリだと下り坂で必死にこいだ時の向かい風。秒速20mは時速72㎞となり、自動車なら一般道ではスピードオーバーだ。最大瞬間風速の39・4m/sは時速141.8㎞にもなり、在来線最速を誇るJR西日本の新快速の最高速度130㎞よりも速い。いかに強風かがわかるだろう。


自転車


 猛烈な風で倒された樹木が道をふさぎ、天王山の登山道は通行不能。大木の林が広範囲になぎ倒されて、地面がむき出しになってしまった。天王山での最大瞬間風速は、気象台の記録よりも強烈だったはずだ。こんな凄まじい風の被害を見たのは初めてだ。でも、長い地球の歴史の中では、この程度の自然現象は定期的に発生する普通のことなんだろう。

 大雨が降れば山が崩れ、川があふれる。大風が吹けば屋根が飛び、樹木が倒れてしまう。そして日本列島に住む限り、地震からは逃れられない。でも、天災の被害を減らすことはできると思う。それにはまず、身近な自然に興味を持つことが必要じゃないだろうか。山や川の姿、草木や生き物の様子を見続けることは、自然の過酷な振る舞いを上手に受け流し、被害を最小限に抑える街作りの参考になるはずだ。具体的にどうしたらいいかは、まだ僕にはわからない。ただ、謙虚な目で自然を見ることなしに、科学技術だけを駆使して自然に立ち向かったって勝ち目はない。自然は人間なんかに容赦しないんだから。

 さて、無残な姿になってしまった天王山は、多くの人たちのおかげでよみがえりつつある。天王山への思いはそれぞれだけど、その人たちがこの山のことを愛していることだけは確かだ。天王山のために汗を流してくださるすべての人に、心から感謝したい。そして、今年こそ穏やかな良い年でありますように。
■補足説明(気象庁のホームページより)
☆風速…気象庁では10分間の平均風速を風速としている。単位は秒速m/s
☆瞬間風速…風速計の測定値(0.25秒間隔)を3秒間平均した値(測定値12個の平均値)



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