いよいよハンガリーの名陶「ヘレンド」の歴史の始まりですね。(序話はこちら)
「ハンガリーは、西暦1000年に建国。ハンガリー王国として栄えていたが、16世紀半ばにオスマン帝国とハプスブルク帝国に分割支配され、17世紀末からは、ハプスブルク帝国(呼称オーストリア)の支配が続いた。
ハプスブルク帝国といえば、ウィーン磁器工房。覚えているかな? ヨーロッパでドイツのマイセンについで磁器作りに成功したハプスブルク家お抱えの工房や。これをきっかけに次々と磁器窯が出来ていったが、オーストリア政府はウィーン磁器工房を保護するために、領国には磁器窯の設立を認めなかった。ハンガリーに磁器窯ができるのは、およそ100年後になるんや。
磁器窯はなかったが、ハバス陶器という鉛釉陶器を作る窯はいくつかあった。イギリスのウェッジウッドが開発した優雅でなめらかな硬質陶器クリームウェアが人気となり、ハンガリーの上流階級にも普及すると、クリームウェアを扱う工房や新窯も増えていった。
その頃パーパという町に、兄と共にトランプ絵師として働くヴェンツェ・シュティングルという青年がいた。新しい道を探していた彼は、陶磁器界の活況を見て製陶所に転職。クリームウェアの技術を習得し、1824年に製陶所を設立した。しかし共同経営者ともめ、1826年にヘレンドで再度製陶所を立ち上げたんや。ヴェンツェはクリームウェアを作る傍ら磁器作りにも取り組んだが、資金繰りが厳しく満足に出来んかったようや。そこへ支援を申し出る男が現れたんや!」 つづく
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