こどももおとなも絵本といっしょに
ほっとひといきつけるじかんを
実りの秋。どっしりとみずみずしい大根やりんごが店頭に並ぶ季節になりました。わたしたち親にとって、こどもたちが美味しそうに食べる姿を見るのは何よりの幸せです。とくに小さなころには、「一ぱいたべると 一ぱいだけ、二はいたべると 二はいだけ、三ばいたべると 三ばいだけ、おおきくなる」ももたろうのように食べる分だけ大きくなるので、食べものがからだをつくることを実感します。食べることは生きること。その分できるだけ安全なもの、旬のもの地のものを食べさせたいと思うのが親心です。
こどもたちには食べる楽しさや喜びとともに、感謝の気持ちも持って欲しいと願います。ごはんをつくってくれる人に、お米や野菜など作物をつくってくれる人に、命をくれる動植物に思いを致せる人になってくれたらうれしい。そして、わが子がずっと家族や仲間と「美味しいね」と言い合って食べられる世の中であることを切望します。
平山和子さんの食べものの絵本にも、そんな想いが詰まっているように思います。『やさい』『くだもの』に描かれる野菜や果物は、まるで宝石のように美しく輝いています。「さあ、どうぞ」と差し出されると思わず口を開ける子がたくさんいます。
ライター/えほん講師 なが田ゆう子
『絵本とおはなし どんぐりん』として、大山崎中央公民館図書室で隔月水曜日におはなし会をしています
