京都と大阪の府境にある小さな町・大山崎で、リトルプレス「大山崎ツム・グ・ハグ」など印刷物を作っている大山崎リトルプレイスです。このブログでは「大山崎ツム・グ・ハグ」記事を中心に紹介しています。 https://www.o-little-place.com/
今日もリトルプレス『大山崎ツム・グ・ハグ』の制作に励んでます。。。
前回まではこちらへ⇒靴職人① 靴職人②

aratasakai
coffee1

マッケイ製法でつくるひも靴


美しい形にこだわり、デザインを考えて自らパターンを起こし、革を裁断・縫製する靴職人・酒井さんの第3話です。

娘さんが保育園に通園するのを機に、大山崎の自宅をアトリエにして靴ブランド「HAMUANDCHEEZE(現在は「aratasakai」)」を設立。

「いつのまにか私が作った靴が定番になっている」ような靴作りが始まりました。 

靴職人3-1

 「aratasakai」では現在、オーダー靴と定番の女性靴5種と男性靴1種を扱っています。定番靴に使う革は、アッパーに牛のカーフやキップ、山羊、ライニングに馬、ソールに牛のカウなどを使用。靴の作り方に入る前に、革についてみてみましょう。

靴職人3-2


【皮から革へ】
皮のままだと腐ったり堅くなったりするので、毛などを取り除き、植物の渋液や化学薬品につけて柔らかく加工し(鞣し)、染めて「革」に。染めずに仕上げると「ヌメ革」になります。

靴職人3ー3


【革の種類】
靴によく使われるのは牛や豚、山羊、馬の革。牛革は月齢などによって種類が分かれます。また、動物の種類やその体の部位によって、使われ方が異なります。

靴職人3-4


靴職人3-5

【「aratasakai」の靴ができるまで】
では女性用短靴(表・下の写真参照)を例に、作り方を教えていただきましょう!

coffee2



❶靴木型(ラスト)作り

ラスト専門会社にデザインを伝え、靴木型を取り寄せる。

靴職人3-6


❷各サイズの靴木型を作る
成形した靴木型をラスト会社に返送すると、3Dスキャンでデータを取り、各サイズの靴木型(樹脂製)ができあがる。

靴職人3-7


➌型紙を作る

靴木型にデザインを描き、その上にデザインテープを貼り、デザインを写す。
テープに切り込みを入れながら、平面にして紙に貼り、型紙を作る。
型紙は甲部と裏革、中底、外底、ヒール、補強材(月型芯や先芯など)が必要。裏革は甲部より5㎜ほど小さく取る。

靴職人3-9


❹裁断
革の伸びや厚みなどを考慮しながら型紙を置き、専用の包丁で裁断。
靴職人3-10



今月はここまで。次号Vol.41(2020年6月25日発行予定)へつづく


参考文献
紳士靴のすべて
マグダ・モルナール
グラフィック社
2018-08-08


「左右同型靴の史的考察」 宇留野勝正 http://www.hikaku.metro.tokyo.jp/Portals/0/images/shisho/shien/public/153_4.pdf ほか


〈紙面〉
靴職人3_1ページ目

靴職人3_2ページ目



KIMG2667



KIMG2678

Add Comments

名前
 
  絵文字
 
 
ギャラリー
  • 住宅省エネ 2024キャンペーン    とってもお得なので利用しては?
  • 住宅省エネ 2024キャンペーン    とってもお得なので利用しては?
  • 住宅省エネ 2024キャンペーン    とってもお得なので利用しては?
  • 蘭花譜と大山崎山荘
  • 蘭花譜と大山崎山荘
  • タムさんのお話第54話「軽鴨」
  • タムさんのお話第54話「軽鴨」
  • 大山崎ライブラリーフレンズ「こどもクルクル、おにクル」
  • 大山崎ライブラリーフレンズ「こどもクルクル、おにクル」
カテゴリー