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長谷川書店(通称 ハセショ)水無瀬駅前店ができるまで
お話 店主 長谷川勝さん
稔さんがゲームソフトショップの店長になって数年後、本屋とゲームソフトショップの間の壁を取り払い、お店を1つにしました。
稔さんも本に関わることになり、最初は勝さんを真似ながら(言い方やしぐさまで!)本を売っていましたが、勝さんは学校に教科書を届けたり、注文を聞いたりする外商でほぼ1日不在。稔さんは出版社に電話したり、調べたりして本屋の仕事を学び、覚えていきました。
ゲーム人気に陰りが見え始め、ゲームソフトコーナーも徐々に縮小。やがてゲーム会社と契約が切れ、ハセショからもゲームコーナーは消えていきました。
6年ほど前、阪急水無瀬駅改札口前に空き店舗ができ、勝さんは出店を決めます。契約の関係で島本店との2店舗経営となり、勝さんは島本店に入り、水無瀬駅前店は「時代の流れもあるし、僕らの昔ながらの本屋では、お客さんには合わなくなった商品が多くなっているのではないかと思いましてね。『あんたの思うようにやってみ』と言ったんですわ」と稔さんに任せることになりました。
数年前の大雨による浸水で大被害が出たことを受け、島本店は閉店。現在はお2人とも水無瀬駅前店で、勝さんは外商を、稔さんはお店全般を担当。「思うようにやり」続ける稔さんに、勝さんは、商いのセオリーである採算や回転率などを気にしながらも「標準的な考え方でいくとおもしろくない本屋になってしまう」と新しい本屋の流れを見守っています。
駅前、大雨洪水で浸水
本たちのハセショの一日
朝5時半、本たちは段ボールに入ったり束になったりして、店前で主が来るのを待ちます。8時半に勝さんがお店のカギを開けると、勝さんとパートの方に迎え入れられ、何が何冊来たのかなどチェックを受けます。続いてお客さんが手に取り読みやすいようにスリップ(売上カードと注文カードがつながった二つ折りの紙。本が売れたら抜き、追加で注文するときに注文カードを切り離して出版社に出します)を後ろの方のページに差し替える、付録をつける、ビニールをかけるといった身支度を整えます。
身支度が終わるといよいよ棚入り!と思いきや、どの棚にどの本を入れるのかは稔さんの仕事。稔さんが来るのを待って、やっとお似合いの棚へ運ばれます。そうこうしているうちに10時。開店です。
「あ、バイトの人がやってきた!」。その日届いた箱から取り出された本たち一冊一冊が棚入りを果たしていきます。
「あ、あそこ空いた!そこに入るのは誰?誰?」とワクワクする本たち。