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ヘビは細長い体をくねらせながら、地面を音もなく滑るように移動する。池や田んぼの水の上を上手に泳いでカエルを捕まえる。木登りが得意なアオダイショウは、高い木の上にある小鳥の巣に忍び込んで卵やヒナを丸呑みにしたり、民家の屋根裏に上がってネズミを食べたりするんだ。ヘビを見つけたら目をそむけてばかりいないで、その巧妙な体の動きを離れたところからそっと観察してみると面白いよ。
ヘビほど好き嫌いが分かれる生き物はいないんじゃないだろうか。僕はヘビが好きだ。洗練された体を持つ、最高にかっこいい生き物だと思う。手も足もない、ただのヒモみたいな単純な構造の体なのに、自由自在に動くことができる。人がかまれると死んでしまうこともある、毒牙を持つものもいる。ヘビを見ていると、何か神秘的な能力を持つ特別な生き物のように感じるんだ。大昔にも僕と同じように考える人々がいて、ありがたい霊力を持つ神聖な生き物としてヘビを敬っていたんだ。今でもヘビは神の使いであり、家の守神でもある。脱皮したヘビの抜け殻を財布に入れておくとお金が貯まるとか、幸せをもたらすものとして大切にされているんだ。
だけど一方では、気色の悪いおぞましい生き物として、ヘビを怖がっている人が多いことも事実だ。昔からヘビは恐ろしい邪悪なものとして退治されてきた。どうしてそんなに嫌われるのだろう。ニョロニョロ、ヌメヌメした体が気持ち悪いのかな。それとも毒ヘビのイメージが強くて、避けられているのかなあ。確かに道端でとぐろを巻いたヘビに出くわせば、今にも飛びかからんばかりにこちらをにらんでいるように感じるかもしれない。得体の知れない異様な生き物には近づいてはいけないと考えることの方が、人間らしい自然な感覚なのかも知れないね。ほんとうは、ヘビは人を見たらすぐに逃げる警戒心の強い臆病な生き物なんだ。毒を持つマムシだって、自分から積極的に人にかみつくことなんかしないんだよ。
近ごろは、ヘビの食糧になるカエルを見かけることが少なくなった。カエルが生息する田んぼや湿地が減っているんだ。ヘビたちには住みにくい環境になりつつあるんだよ。ヘビがいなくても、僕たちの生活は困らない。いや、ヘビがいない方が快適だと思う人も多いだろうね。ヘビがいなくなるということは、ヘビが生息できる環境がなくなってしまうということだ。そこにいた動物や植物も、僕たちの気づかない間にいなくなっているということなんだ。身近な野山でごく普通にヘビを見られることは、豊かな自然環境が残っている証拠なんだよ。
ほんの少しだけでいいから、ヘビを好きになってほしいな。ヘビはとても美しい目をしている、可愛い生き物なんだから。
■補足説明
■参考図書
小学生低学年向けの写真絵本です。
春になり暖かくなってくると、そろそろヘビが冬眠から目覚めるころだ。以前はヘビをよく見かけたけれど、最近ではなかなかお目にかかれない。僕がこれまで天王山や桂川、小泉川周辺などを歩いて見てきたヘビを挙げてみよう。普通のシマヘビ、黒いタイプのシマヘビ、ヤマカガシ、アオダイショウ、マムシ、ジムグリ、ヒバカリ、自動車にひかれてペチャンコのミイラになったシロマダラ。けっこういろんなヘビがいるんだよ。
アオダイショウ
ヘビは細長い体をくねらせながら、地面を音もなく滑るように移動する。池や田んぼの水の上を上手に泳いでカエルを捕まえる。木登りが得意なアオダイショウは、高い木の上にある小鳥の巣に忍び込んで卵やヒナを丸呑みにしたり、民家の屋根裏に上がってネズミを食べたりするんだ。ヘビを見つけたら目をそむけてばかりいないで、その巧妙な体の動きを離れたところからそっと観察してみると面白いよ。
ヘビほど好き嫌いが分かれる生き物はいないんじゃないだろうか。僕はヘビが好きだ。洗練された体を持つ、最高にかっこいい生き物だと思う。手も足もない、ただのヒモみたいな単純な構造の体なのに、自由自在に動くことができる。人がかまれると死んでしまうこともある、毒牙を持つものもいる。ヘビを見ていると、何か神秘的な能力を持つ特別な生き物のように感じるんだ。大昔にも僕と同じように考える人々がいて、ありがたい霊力を持つ神聖な生き物としてヘビを敬っていたんだ。今でもヘビは神の使いであり、家の守神でもある。脱皮したヘビの抜け殻を財布に入れておくとお金が貯まるとか、幸せをもたらすものとして大切にされているんだ。
だけど一方では、気色の悪いおぞましい生き物として、ヘビを怖がっている人が多いことも事実だ。昔からヘビは恐ろしい邪悪なものとして退治されてきた。どうしてそんなに嫌われるのだろう。ニョロニョロ、ヌメヌメした体が気持ち悪いのかな。それとも毒ヘビのイメージが強くて、避けられているのかなあ。確かに道端でとぐろを巻いたヘビに出くわせば、今にも飛びかからんばかりにこちらをにらんでいるように感じるかもしれない。得体の知れない異様な生き物には近づいてはいけないと考えることの方が、人間らしい自然な感覚なのかも知れないね。ほんとうは、ヘビは人を見たらすぐに逃げる警戒心の強い臆病な生き物なんだ。毒を持つマムシだって、自分から積極的に人にかみつくことなんかしないんだよ。
マムシ
近ごろは、ヘビの食糧になるカエルを見かけることが少なくなった。カエルが生息する田んぼや湿地が減っているんだ。ヘビたちには住みにくい環境になりつつあるんだよ。ヘビがいなくても、僕たちの生活は困らない。いや、ヘビがいない方が快適だと思う人も多いだろうね。ヘビがいなくなるということは、ヘビが生息できる環境がなくなってしまうということだ。そこにいた動物や植物も、僕たちの気づかない間にいなくなっているということなんだ。身近な野山でごく普通にヘビを見られることは、豊かな自然環境が残っている証拠なんだよ。
ほんの少しだけでいいから、ヘビを好きになってほしいな。ヘビはとても美しい目をしている、可愛い生き物なんだから。
■補足説明
ヘビに出合った場合、嫌いな方はそっとその場を離れてください。追いかけてくることはありません。好きな方は離れて静かに観察しましょう。
本州に生息しているヘビは、シマヘビ、ヤマカガシ、アオダイショウ、マムシ、ジムグリ、ヒバカリ、シロマダラ、タカチホヘビの8種。
毒を持っているのはマムシとヤマカガシの2種。
マムシは川や水田など、水辺の草むらにいることが多い。
ヤマカガシは上あごの奥に短い毒牙がある。臆病なので、人の気配ですぐに隠れてしまう。おとなしいヘビなので、昔は毒ヘビとは思われていなかった。
■参考図書
小学生低学年向けの写真絵本です。
迫力のある写真で、生態がよく理解できます。
生き物好きの子供たちにおすすめします。
大人が読んでも面白いですよ。
ここまでが掲載文と写真です。
ここからはタムさんが送ってくれたへびの写真を貼っておきますね。
「ジムグリ」っていうんですって。目がカワイイ
こちらは「ヒバカリ」 皮膚がビロードみたいじゃないですか?
こちらは普通の「シマヘビ」
同じシマヘビで黒いシマヘビだそうです。縞が見えない…
ここまでが掲載文と写真です。
ここからはタムさんが送ってくれたへびの写真を貼っておきますね。
「ジムグリ」っていうんですって。目がカワイイ
こちらは「ヒバカリ」 皮膚がビロードみたいじゃないですか?
こちらは普通の「シマヘビ」
同じシマヘビで黒いシマヘビだそうです。縞が見えない…