京都と大阪の府境にある小さな町・大山崎町で、リトルプレスやチラシを作る『大山崎リトルプレイス』での日々
今日もリトルプレス『大山崎ツム・グ・ハグ』の制作に励んでます。。。
 『かいじゅうたちのいるところ』(原題:There the Wild Things Are)は、アメリカの絵本作家モーリス・センダックによって1963年にかかれた作品です。翌年1964年にコルデコット賞*を受賞しています。日本でも神宮輝夫訳・冨山房発行の絵本が1975年に出て以来、2010年には第108刷が発行されています。50年以上が経つ今も少しも色あせず、全世界で読み継がれている一冊です。物語の流れをたどれるようになる2,3歳くらいの子どもたちに読むと、からだごとぐっとのめり込み、主人公マックスと一緒に冒険世界に入くのがわかります。

かいじゅうたちのいるところ
モーリス・センダック
冨山房
1975-12-05




 表紙には、見慣れない植物が生える森でこれまた見たこともない生き物が眠っています。2本の角に鋭い手爪に毛むっくじゃらのからだ。どうやら怪獣のようです。左奥には、船が見えます。ページをめくると、扉部分にも不思議な風貌の怪獣たち。少し距離を置いて王冠をつけ、オオカミのぬいぐるみを着た男の子がいます。マックスです。怪獣とマックスは、追いかけっこをしているようです。

 マックスはある晩、むしゃくしゃしたのでしょうか、オオカミのぬいぐるみを着ていたずらを始めます。大暴れした挙句、お母さんに夕食抜きを命じられ、寝室に放り込まれてしまいました。マックスがふてくされていると、寝室ににょきにょき木が生え出しやがて森になりました。波も打ち寄せ、そこにマックスの船があらわれます。そこでマックスは大海原へ漕ぎ出し、長い航海へと旅立つのです。

 1週間、2週間、ひと月、ふた月と旅は続きます。1年と1日航海すると、そこは海獣たちがいるところ。マックスが船を着けると、怪獣たちがうぉーっと吠えて威嚇しにかかります。でも、マックスは平気。「静かにしろ!」と怒鳴り、怪獣ならしの魔法を使って、怪獣を手なずけてしまいます。マックスは怪獣たちの王様になりました。

 怪獣たちと一緒に踊りを踊り、楽しく遊び暮らしたマックスでしたが、次第にさびしくなってきます。優しい誰かを思い出し、帰りたくなったのです。遠い遠い世界の向こうから、何やら美味しいにおいもしてきます。マックスは海獣たちの王様をやめることにしました。
 怪獣たちはマックスが行ってしまうのを、泣いて引き止めます。うぉーっと吠えて、歯を鳴らし、目玉を剥いて、爪を出して残念がりましたが、マックスはさっさと船に乗り込んでさよならと手を振ります。

 再びマックスは長い航海へ。1週間、2週間、ひと月、ふた月。そして1年と1日が経つと、いつの間にか、マックスはお母さんに放り込まれた自分の寝室に戻っていました。そこにはちゃんと夕ご飯が置かれていて、まだぽかぽかと温かかったのでした。   (つづく)

*アメリカで前年出版された絵本の中でもっともすぐれた作品の画家に対して贈られる賞


(プロフィール)
ライター/えほん講師 なが田ゆう子
『絵本とおはなし どんぐりん』として、大山崎中央公民館図書室で隔月水曜日におはなし会をしています。


絵本とおはなし どんぐりん
11月13日(水)10時30分~11時 中央公民館別館2階和室

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