京都と大阪の府境にある小さな町・大山崎で、リトルプレス「大山崎ツム・グ・ハグ」など印刷物を作っている大山崎リトルプレイスです。このブログでは「大山崎ツム・グ・ハグ」記事を中心に紹介しています。 https://www.o-little-place.com/
今日もリトルプレス『大山崎ツム・グ・ハグ』の制作に励んでます。。。
 我が家のベランダには鉢植えのレモンがある。もらってきたときは、葉っぱが数枚しかない手のひらサイズの貧弱な木だった。ちゃんと育つか心配だったけれど、今ではそこそこ立派な枝ぶりになったよ。でも、まだ花は咲いたことがないんだ。

 実のならないレモンは僕にとっては何の役にも立たないけれど、葉っぱはアゲハの幼虫にはなくてはならない貴重な食草だ。僕の胸くらいの高さしかない鉢植えのレモンなのに、アゲハが毎年やってきては葉っぱに卵を産み付けるんだ。

アゲハ卵



 春になると、越冬したさなぎから羽化したアゲハがやってきて、1㎜くらいの黄色いまん丸の卵を、1枚の葉っぱに1個ずつ産んでいく。10箇所くらい産んでいくかな。我が家のレモンの葉っぱの量で養える幼虫は3匹か4匹くらい。それ以上だと葉っぱを食べ尽くされてしまうので、かわいそうだけど、いくつか卵を葉っぱから取り除かなければならない。

クロアゲハ終齢幼虫


 卵から孵った小さな小さな黒いゴミみたいな幼虫は、葉っぱを食べ、脱皮をして大きくなっていく。2㎝くらいになった幼虫は、ブツブツのある黒い体に白っぽい帯状の模様がある薄汚い姿だ。体を野鳥のフンに似せて天敵をだましているらしい。確かに、触るとベチャリと指先にくっつきそうなリアルな野鳥のフンに見えるよ。最後の4回目の脱皮をすると、今度は全身が鮮やかな緑色になるんだ。ここからの食欲はものすごい。葉っぱが1枚、また1枚と食べられて減っていく。たくさん食べれば出てくるものも当然多い。豆粒みたいにコロコロした緑のフンが鉢の周りに散乱して、毎朝の床掃除が大変だよ。

紙袋クロアゲハさなぎ


 さんざん食べ散らかしてまるまる太った幼虫は、さなぎになるのにふさわしい場所を求めて旅に出るんだ。レモンの葉陰でさなぎになれば良さそうなものだけど、幼虫はみんな鉢を出て、気に入った場所を求めてベランダの床をはいまわる。さなぎになる場所はいろいろだ。ベランダの壁や植木鉢の側面、棚の裏側、プラスチックのジョウロ、すだれ、床に置いてあった紙袋の細い取っ手でさなぎになった変なやつもいたよ。イモムシの姿から、どうやったらあんなに美しい羽根を持つ蝶に変身するんだろう。できることなら、さなぎの中での変身の様子を見てみたいな。

 羽化したばかりのアゲハが真新しい羽根をゆっくりと開いたり閉じたりしながら、今にも大空へ飛び立とうとする姿を見ると、なんだか幸せな気持ちになるんだ。だから、レモンには悪いけど、アゲハの幼虫をすべて駆除はしないんだ。今年もアゲハ養成所になってしまい、若葉をいっぱい食べられた我が家のレモンは、なかなか大きくなれないけどね。

【補足説明】

アゲハ羽化

我が家のレモンに産卵するのはナミアゲハ。たまにクロアゲハが産卵する。
春から秋まで3~4回やって来て産卵する。
晩秋にさなぎになったものは、さなぎのまま越冬して春に羽化する。


Vol.34の記事はここまで。
この記事の入稿後、タムさんが送ってくれた写真を紹介します。
さて、何に見えますか?

鳥の糞に擬態 (1)

これが
体を野鳥のフンに似せて
天敵をだましている幼虫なんですって。

この後にあの鮮やかな緑色になるとは、
思いもよりませんね。

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