京都と大阪の府境にある小さな町・大山崎町で、リトルプレスやチラシを作る『大山崎リトルプレイス』での日々
今日もリトルプレス『大山崎ツム・グ・ハグ』の制作に励んでます。。。
 天王山が大好きで、いろいろな生きものとお友だちのタムさん。
天王山の自然のことをみんなに知ってもらおうと作ったお話。


 霜が降りた田んぼの近くを歩いていたら、チュンチュンとにぎやかな声がする。あたりを見まわすと、落葉した木の枝にスズメがいっぱいとまっていた。寒さを防ぐため、全身の羽毛に空気を溜めこんで丸くなっている。スズメは夏の終わりから晩秋にかけて羽根が生え替わるから、真冬には羽毛が新品になって寒さ対策は完璧だね。

 まん丸のかわいい姿をよく見ようと思い、双眼鏡をリュックから出したところで気付かれた。スズメの群れは一斉に飛び立ち、田んぼの端っこへ飛んでいってしまった。スズメは人里周辺で暮らしていて、人の住まない山奥にはいない。でも、人の近くで生活していても、人が好きなわけじゃないよ。人に対してはいつも警戒してるんだ。

 スズメは草原や農耕地などで、主に草の種子を食べている。そこは見通しが良く隠れる場所がないので、タカなどに襲われやすいんだ。だから群れを作り、みんなで警戒しながら行動するんだろう。

 農家にとってスズメの群れは迷惑な存在だ。苦労して育てた稲穂を、スズメに食べられることほどくやしいことはないからね。にっくき害鳥として駆除の対象になるけれど、一方では富や幸福を招く野鳥として大切にされている。特に丸くふくらんだスズメは、豊かさを象徴する福良雀(ふくらすずめ)と呼ばれて愛されているんだ。

 我が家には、縁起の良い白い福良雀の伏見人形がある。ぽっちゃりした愛らしい人形だよ。頭のてっぺんに赤い丸があり、カラフルな羽根の模様が美しい。どう見ても普通のスズメじゃないなあ。ずっと昔は、白いスズメが現れると良いことが起こると考えられていて、神聖な鳥として天皇に献上されたそうだ。だから縁起の良い、白い福良雀の人形になったのかなあ。

 一年中見られるスズメは、身近にいる野鳥の代表だ。あまりにも普通なんで、誰も気にしない。ほんとうは面白い野鳥なんだけどね。散歩の途中、寒さに耐えて春を待つ福良雀を見かけたら、思いもよらない幸運が舞い込んで来るかもしれないよ。


福良雀1

■補足説明
「ふくらすずめ」には「福良雀」「福来雀」「福来良雀」などの漢字が当てられる。

■参考図書 
「スズメ つかず・はなれず・二千年」三上修 著・岩波書店


イラスト、写真が多くて読みやすい本です。どこにでもいるスズメですが、見る目が変わります。

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