京都と大阪の府境にある小さな町・大山崎町で、リトルプレスやチラシを作る『大山崎リトルプレイス』での日々
今日もリトルプレス『大山崎ツム・グ・ハグ』の制作に励んでます。。。
タムさんのお話⓲
 天王山が大好きで、いろいろな生きものとお友だちのタムさん。天王山の自然のことをみんなに知ってもらおうと作ってくれたお話

ベランダの小さな福の神

 朝、ベランダの床に黒い毛玉のようなものが落ちていた。ゴミだと思ってつかもうとしたら、なんとコウモリだった。「君は、明るくなると洞窟や屋根裏なんかで逆さにぶらさがって寝てるんじゃないの? なんでこんなところにいるんだい。」黒い翼を器用にたたみ、コウモリは丸くなって動かない。

「怪我でもしているのかな? 何か理由があって体力の回復を待っているのならば、手にとって観察するのはストレスを与えて弱らせるだけだ。ここは運命に任せ、このままにして様子を見よう。」無責任な僕は、いつものように朝ごはんを食べたのだった。

 朝食後、コウモリについて調べてみた。我が家に来たのはアブラコウモリらしい。民家の屋根裏なんかをねぐらにするので、イエコウモリともいうそうだ。

 哺乳類の中で、空を自由に飛べるのはコウモリだけ。翼は飛膜と呼ばれる薄い膜でできている。人間で例えれば、手に相当する前足の親指以外の人差し指、中指、薬指、小指が極端に長くなり、指と指の間にある飛膜と、小指に相当する部分から足に達する飛膜が翼になっているんだ。翼が薄い膜なので、飛んでる姿がヒラヒラして見えるんだね。

 アブラコウモリは、人間には聴こえない超音波の鳴き声を出して、声が物に当たった反響を耳で聴き、周りの状況やエサの昆虫の位置を計っている。だから、目が見えない暗闇でも自由自在に飛べるんだ。

 人間は、目で見て物の色や形を頭の中に描いている。目を閉じ、音を聴くだけでは周りのことはほとんどわからない。超音波の反響音を耳で聴き、音だけで周りの様子を頭の中に描いているコウモリには、世界がどんなふうに映っているんだろう。僕には想像すらできないよ。

 コウモリは世界中に広く分布していて、昔から人々に馴染みのある生き物だったんだ。西洋では吸血鬼の不吉なイメージがあって嫌われているみたいだけれど、中国では富や幸福を招く縁起の良い生き物として喜ばれるそうだ。

 いろいろ調べてからもう一度見ようとベランダに行くと、すでにアブラコウモリの姿はなかった。わずかな時間だったけれど、我が家にやって来た小さな福の神。どうか、無事にねぐらに帰れますように。そして、元気になったらまた来てね。

コウモリと蚊



【補足説明】
■アブラコウモリ(イエコウモリ)
北海道の道央部以北を除くほとんど全国に分布。体重は5~10g、頭から胴の長さは4~6㎝前後。
夜行性で昼間はねぐらで休む。建物の隙間や洞窟をねぐらにする。飛んでいる小さな昆虫が主食。冬には冬眠する。
■超音波 
人間には聞こえない高い周波数の音波。代表的な超音波を出す生き物は、コウモリ以外にイルカ、クジラがいる。 
■参考図書
「コウモリの謎」
大沢啓子 大沢夕志 
誠文堂新光社
いろんなコウモリについて、わかりやすく解説されてます。面白いですよ。おすすめ!


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