京都と大阪の府境にある小さな町・大山崎町で、リトルプレスやチラシを作る『大山崎リトルプレイス』での日々
今日もリトルプレス『大山崎ツム・グ・ハグ』の制作に励んでます。。。
子どもにも大人にも『絵本』と一緒に、ほっとひといきつける時間を

絵本でひといき『かこさとしさん①』


 こんにちは。目が回りそうな気候の変化に悩まされた5月も過ぎて、あっという間にもう6月。今年もあとひと月で半分が済んでしまいます。わたしたち大人にとっては、歳を重ねるにつれ1年がほんとうにはやく行き去ってしまいますが、子どものころはそうではありませんでした。1日1日がもっとゆったりと流れていた気がします。

 昔何かで読んだ記事によると、「『新鮮な経験』が多いほど、時間の経過は長く感じる」のだそうです。なるほど、見るもの聞くものすべてが新しい体験である小さい子どもにとっては、日々思いがけないたくさんの出来事がいっぱい。その分時間は長く感じられるのですね。

 そういえばまだ我が子が小さかったころには、新米母のわたしにも目新しい経験の連続だったからでしょう、時間が経つのが遅いように感じられました。慣れない子育てへの不安や夜中の授乳やおむつ替えといった物理的なしんどさも加わり、先の見えない閉塞感に苛まれることさえありました。

 それでも過ぎてしまえば、心からなつかしく愛しい時間だったと思えます。あんなにしんどいと思っていたのに、この歳になるとすっかり忘れて、今度はよそのお子さんと一緒に絵本を読んだりしているのですからわからないものです。だから今現在、つらさを抱えているお母さんがいらしたら「大丈夫ですよ」と言ってあげたい。あとから思い返せばかけがえのない時間になりますよと、伝えられたらと思います。

   先日亡くなられた絵本作家・児童文学研究者のかこさとしさんは、ずっと子どもに寄り添ってき方でした。92歳で旅立たれる間際まで現役作家として活躍されていたかこさんは、60年以上にわたって600冊余りの絵本をつくり、1000万人を超える子どもたちに手渡されてきました。

 昨年50周年を迎えた『だるまちゃんとてんぐちゃん』をはじめとする「だるまちゃん」シリーズや『おたまじゃくしの101ちゃん』『からすのパンやさん』といった気持ちがあたたかくなる物語に、からだや身近な草花から宇宙にまで興味を広げてくれる自然科学もの、芸術や文化・歴史の豊かさや四季折々の暮らしと遊びを紹介する絵本などなど、実に多彩な分野の作品を手がけられました。

 だるまちゃんとてんぐちゃん 加古 里子 作・絵 福音館書店 

 からすのパンやさん 加古 里子 作・絵 偕成社

 その精力的な創作活動の原点は、19歳で迎えた敗戦と、のちに子どもたちと過ごした地域のボランティア活動(セツルメント)だったといいます。戦争が終わると同時に手のひらを返したように言うことを変えた大人たちへの反発と、軍国少年だった自分自身への悔悟の念と。「戦争の死に残り」として償いをしたいと考えたかこさんは、未来を担う子どもたちのために働くことを決意します。大学を出て会社勤めをはじめてから、週末にはセツルメントに通い、子どもたちと遊んだり紙芝居を描いたりして過ごすようになったのです。  つづく
              
■参考文献
未来のだるまちゃんへ』かこさとし/文藝春秋、『絵本への道―遊びの世界から科学の絵本へー』加古里子/福音館書店、『ちっちゃな科学』かこさとし 福岡伸一/中公新書ラクレ、『月刊MOE 2017年3月号』(かこさとし特集)/白泉社、『別冊太陽かがくするこころの絵本100』/平凡社、『だるまちゃんとてんぐちゃん』福音館書店/『おたまじゃくしの101ちゃん』偕成社

(プロフィール)
ライター/えほん講師 なが田ゆう子
子育てのなかで出会った絵本の魅力にはまりNpO法人「絵本で子育て」センターで学ぶ。現在はフリーランスの『えほん講師』として読み聞かせやおはなし会、絵本講座などを開催

 

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